北海道経済産業局では、本年9月から、アジア、豪州等からの富裕層を中心とした外国人観光誘客の拡大方策等を検討する「北海道の観光産業のグローバル化促進調査」を実施します。
具体的には、「北海道観光産業グローバル化促進研究会」(座長:北海道大学観光学高等研究センター 石森秀三センター長)を設置し、ニセコ、洞爺湖、夕張の道内3地域をモデルフィールドに、グローバル化に係る地域の個別課題(ニセコ地域における通訳サービス等)の解決方策等を検討し、北海道観光のグローバル化に向けた具体的な対応策等を導出します。
1.現状認識
北海道には年間約71万人の外国人観光客が訪れており、本年7月の北海道洞爺湖サミットの開催を契機に、ますます増加することが見込まれている。
一方、少子高齢化等による長期的な国内観光人口の縮小が見込まれる中、経済波及効果の高い観光産業においては、地域の特性を活かしながら継続的な外国人観光誘客に取り組んでいくことが必要であり、特にアジア圏からの富裕層の増加は、観光客のニーズに対応した質の高いサービス提供と、それを実現するためのサービスインフラ整備を進める好機でもある。
国内外では外国人観光誘客に係る取組を積極化しており、北海道観光はグローバル競争に晒されている。北海道観光が十分な国際競争力を持てるよう、外国人観光客の顧客満足を高めつつ、観光消費行動の活発化等に繋がるための取組等を行うことが必要である。
2.調査概要
(1)観光グローバル化事例の把握及び分析
国内のグローバル化先進地の発展過程等を分析し、現在に至るまでのきっかけ、要素、取組等を抽出するとともに、グローバル化に必要な取組等について把握する。
- 地域への外国人観光客の入り込み数及び消費動向(物販、サービス等)
- 外国人観光客に対応した国内事業者の取組事例の把握(宿泊、飲食、商業、交通、不動産、金融、医療等の取組内容:企業連携、IT活用、サービスの質の改善等) 等
(2)ニセコ地域における発展過程分析
北海道のグローバル化の先行地域であるニセコの発展過程を分析する。
- ニセコ地域のグローバル化の過程分析(体験観光・ランドオペレーション、宿泊等の外国観光事業者がグローバル化に果たした役割、事業展開上の障害等)
- ニセコ地域における国内事業者の対応状況(宿泊、飲食、商業、交通、不動産、金融、医療等における外国人観光客向けサービスの提供内容及びサービスインフラの整備状況等) 等
(3)観光産業グローバル化のためのフィールド調査
北海道全体の観光産業のグローバル化のためには、地域の観光資源や観光インフラ等の地域特性による様々な個別課題を解決し、それを積み上げていくことが必要。このため、グローバル化の進展状況に応じた道内3地域(ニセコ、洞爺湖、夕張)をモデルフィールドに、各地域の個別課題の解決策を検討する。
- 通訳サービス実証調査【ニセコ地域】
豪州やアジア圏等の外国人観光客で賑わうニセコ地域では、外国人観光客が地域の病院で診察を受けたり、商店街等で買物、飲食をするケースが増加。一方、現状、外国人に対する通訳提供体制(観光サービスインフラ)が十分ではなく、今後の外国人観光誘客のために継続可能な通訳提供サービスの仕組みを構築することが必要。このため、インターネット通話システムを活用した通訳サービスを実地で提供することにより、その継続的提供の可能性等について検証する。- 実施概要
英語、中国語、韓国語の3か国語の通訳者を配置し、平成20年12月〜平成21年2月までの間、地域の病院、商店、飲食店等で実証サービスを提供。 - 実施体制等
(財)日本交通公社、倶知安町、倶知安厚生病院及び地元観光団体等から構成される「通訳サービスシステム推進協議会(仮称)」を設置し、通訳サービスシステムのコスト分析、利便性、通訳サービスシステムの実現可能性等について検証を行う。
- 実施概要
- 外国人観光客の増加を見越したグローバル化方策検討調査【洞爺湖地域】
洞爺湖地域では、本年7月に開催された北海道洞爺湖サミットを契機に外国人観光客の増加、特にサミット会場が集客の核となったアジア圏からの富裕層等の入り込みの活発化が期待。こうした状況にあって、地域で長期的・持続的に外国人観光誘客を図るための方策等について検討する。- 九州・沖縄や海外のサミット開催地(リゾート地)における開催前後の観光入り込み動向の変化及び地域の対応策等の状況分析
- サミット開催後の洞爺湖地域のグローバル観光へ向けた取組方策の検討(観光サービスインフラ、広域・事業者連携、推進母体のあり方等)
- 地域でのグローバル化による観光再生方策調査【夕張地域】
夕張地域では、指定管理者制度の導入により民間企業が当該地域の観光産業の再生に取り組み、外国人観光客の増加等で成果を上げはじめている。こうした外国人観光誘客の拡大等による観光産業の再生は、その他の多くの地域での活用例ともなり得ることから、夕張地域の観光再生に向けた取組方策について、特にグローバル化の観点から検討を行う。- 国内観光産業の再生事例の分析(グローバル観光の視点での取組事例)
- グローバルな取組による観光再生方策の検討(再生を担う企業の戦略・取組、他産業との連携、地域の支援方策等)
3.研究会の設置
本調査事業の実施に当たっては、「北海道観光産業グローバル化促進研究会」を設置し、調査・分析結果等を踏まえ、グローバル化を進めるための外国人観光客に対応するサービス提供内容や方法、サービスインフラ整備のあり方等について検討する。
(1)研究会メンバー(五十音順)
- 座長
- 北海道大学観光学高等研究センター センター長/石森 秀三 氏
- 委員
- (社)北海道観光振興機構 事務局長/有塚 宣夫 氏
- 委員
- (株)阿寒グランドホテル 代表取締役社長/大西 雅之 氏
- 委員
- 有限責任中間法人ニセコ倶知安リゾート協議会 事務局長/國枝 弘二 氏
- 委員
- (株)北海道チャイナーワーク 代表取締役社長/張 相律 氏
- 委員
- (株)NISEKO REAL ESTATE 代表取締役/ベン・カー 氏
- 委員
- (株)電通北海道 ソリューション統括室 コミュニケーションプランニング部
主管 ディレクター /山本 光子 氏
(2)研究会スケジュール
- 第1回
- 平成20年9月17日(水)
- 第2回
- 平成20年12月
- 第3回
- 平成21年3月
4.委託先
(財)日本交通公社

