経済産業省北海道経済産業局では、エネルギーの安定供給対策や環境負荷が少ないエネルギーの利用促進に取り組んでいます。
現在、北海道内ではLNG基地の整備が進んでおり、今後も環境負荷の少ない天然ガスの利用拡大が期待されることから、天然ガスを利用した設備投資等に使える支援制度について、概算要求資料や経済産業省関連補助金の採択実績を取りまとめました。
今後、天然ガス設備の導入や更新等をされる際には、本支援制度をご活用ください。
1.天然ガスの環境調和等に資する利用促進事業費補助金
(平成29年度予算:8.0億円(平成30年度概算要求額:15.0億円))
(1)制度のポイント
- 家庭用需要を除く全業種が申請可能。
- 更新や改造だけでなく、新設にも利用できる天然ガス設備投資に特化した補助金。
- 国や地方自治体の防災計画指定や震災時の物資提供協定、災害時の協定を締結している(見込みを含む)施設や工場、事業場に設置される天然ガス設備を支援。
- 天然ガス設備の更新、改造、新設により、従来方式よりも25%以上のCO2排出削減が図られる投資を支援。
(2)制度概要
民間事業者等から中圧ガス導管等で天然ガス供給を受ける、災害時にも対応可能な天然ガス利用設備の導入や天然ガスステーションの整備等を補助するもので、以下の2類型がある。
- 災害時にも対応可能な天然ガス利用設備(補助率 1/3以内)
- 災害時にも対応可能な天然ガス利用設備で、要件に適合する常用の設備を設置し、費用対効果と災害時の強靱性に優れていると認められる場合に補助金を交付。
- 天然ガスステーションの設備(補助率 1/2以内)
- 天然ガスステーションの設備に対し、要件に適合する設備を設置し、費用対効果と災害時の強靱性に優れていると認められる場合に補助金を交付。
(3)道内における採択事例
災害時にも対応可能な天然ガス利用設備
採択事業者名 | 設備所在地 | 従来燃料方式 | 補助事業方式設備 | ||
---|---|---|---|---|---|
自家発電設備 | 冷温水機 | ボイラ | |||
(学)北海道科学大学 | 札幌市 | 都市ガス | ○ | - | - |
北海道コカ・コーラボトリング(株) | 札幌市 | A重油 | - | ○ | - |
(株)ホクビー | 石狩市 | A重油 | - | ○ | ○ |
江別市立病院 | 江別市 | A重油 | - | - | ○ |
(医)はるにれ | 江別市 | A重油 | - | - | ○ |
(医)孝仁会 | 釧路市 | A重油 | - | - | ○ |
天然ガスステーションの設備
採択事業者名 | ステーション名 | 設備所在地 |
---|---|---|
北海道瓦斯(株) | 札幌流通センターSS天然ガススタンド | 札幌市 |
(4)公募要領・採択結果等
公募要領や採択結果等は以下をご覧ください。
(ただし、公募要領は平成29年度のものであり、公募は既に終了しています。)
2.エネルギー使用合理化等事業者等支援事業
(平成29年度予算:234億円(平成30年度概算要求額:733.5億円の内数))
(1)制度のポイント
- 工場・事業場単位でも設備単位でも申請可能な、省エネ設備導入(更新など)に特化した補助金。
- エネルギー管理を一体で行う工場・事業場単位の場合は、省エネ効果や費用対効果(補助対象経費当たりの省エネ量)が高い設備導入を支援。
- ボイラやコージェネレーションなどの設備単位の場合は、公募要領で指定する設備区分に該当する設備導入を支援。
(2)制度概要
民間事業者等による省エネルギー設備・技術等を導入する事業を補助するもので、以下の2類型がある。
- 工場・事業場単位での省エネルギー設備導入事業(補助率 1/3又は1/2以内)
- 既設設備・システムの入替や製造プロセスの改善等の改修等により、工場・事業場等における省エネ・電力ピーク対策を行う事業であり、省エネ効果や費用対効果の高い事業を補助。
- 設備単位での省エネルギー設備導入事業(補助率 1/3以内)
- 設備区分で定められた省エネルギー効果の高いLED照明器具や冷凍冷蔵庫のほか、天然ガスを利用する高性能ボイラや高効率コージェネレーション設備などの更新を補助。
(3)道内における採択事例
幅広い産業・業種で活用が可能です。詳細は以下をご覧ください。
- 交付決定について((一社)環境共創イニシアチブのウェブサイト)
※平成29年度の道内採択件数 工場・事業場単位:16件、設備単位:105件
(4)公募要領等
公募要領等事業の詳細については以下をご覧ください。
(ただし、公募要領は平成29年度のものであり、公募は既に終了しています。)
3.地域の特性を活かしたエネルギーの地産地消促進事業費補助金
(平成29年度予算:63.0億円(平成30年度概算要求額:70.0億円))
(1)制度のポイント
- 「エネルギーの地産地消」を含めた分散型エネルギーシステムの構築・整備に特化した補助金。
- 自治体等と連携した市街地再開発等の街づくりプロジェクトに活用できる。
- 事業可能性調査などのソフト事業からエネルギー設備導入などのハード事業まで、最大5年間、継続的に支援。
(2)制度概要
民間事業者等による先導的な地産地消型のエネルギーシステムの構築を補助。
- 構想普及支援事業(ソフト事業)(補助率3/4以内)
- 民間事業者等が、地域の実情に根ざした分散型エネルギーシステムの構築を進めるために実施する事業化可能性調査及びマスタープラン策定の支援を行うもの。
- エネルギーシステムモデル構築事業(ハード事業)(補助率2/3、1/2、1/3以内)
- 先導的な分散型エネルギーシステムの構築に要する経費の一部の支援を行うもの。
(3)道内における採択事例
エネルギーシステムモデル構築事業(ハード事業)
採択事業者名 | 補助事業の名称 | 対象地域 |
---|---|---|
北海道瓦斯(株) | 札幌市北4東6地区再開発におけるエネルギーの面的利用事業 | 札幌市 |
採択事例の事業概要は以下をご覧ください。
(4)公募要領・採択結果等
公募要領や採択結果等は以下をご覧ください。
(ただし、公募要領は平成29年度のものであり、公募は既に終了しています。)
4.その他
当局では、上記の3事業のほかにも、省エネルギー・新エネルギー導入のための支援制度を紹介しています。
- 液化天然ガス(LNG)の利用拡大について
- 液化天然ガス(LNG)は、中東以外のアジア、オーストラリア等の地域にも広く分散して賦存するとともに、他の化石燃料に比べ相対的に環境負荷が少ないクリーンなエネルギーであり、安定供給の確保及び環境保全の両面から重要なエネルギーです。
このため、石油、石炭、原子力等の他のエネルギー源とのバランスを踏まえつつ、天然ガスの導入及び利用拡大を推進しています。
出典:特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令(経済産業省・環境省)に基づき作成