経済産業省北海道経済産業局長 柚原 一夫
平成22年の新春を迎え、謹んで新年のお慶びを申し上げます。
昨年の北海道経済を振り返ると、一昨年秋の経済危機の影響により春頃まで経済活動の急速な減退が続きましたが、夏以降、国内外の経済対策の効果もあり、生産や消費の一部に持ち直しの動きが見られます。しかし、景気回復の足取りは依然として弱く、雇用情勢の一層の悪化、デフレや円高の影響等が懸念されています。
平成22年においては、まず、景気回復を一層確実なものとすることが喫緊の課題です。このため、政府は、昨年12月に「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を決定し、その実施に必要な措置を平成21年度第2次補正予算案に盛り込みました。
当省においても、採用意欲のある中小企業等と新卒者とのマッチング強化等を始めとする雇用対策、エコポイント・エコカー補助の延長・拡充や環境技術開発の推進等の環境対策、景気対応緊急保証制度の創設や、セーフティネット貸付等の延長・拡充などの中小企業対策について、実施できるものから全力で取り組んでまいります。
これらに加え、中長期的な観点から、北海道経済が成長し、自立していくための取組を進めることが重要です。国内の人口減少・高齢化の進行に加え、東アジアを始め新興国の成長や低炭素社会への移行といった世界経済の構造変化等も踏まえて、地域の活力を維持・拡大していく方策を検討し、実施することが必要であり、当局としては、次の諸点に重点を置いて進めてまいります。
第1に、広大な土地、豊富な食材等北海道の強みを活かした食関連産業が、地域の成長を牽引する産業として大いに活性化するよう、関係機関と連携して「食のクラスターの強化」に取り組みます。このため、農商工連携に加え、産学官連携、知的財産、エネルギー等の諸施策を活用します。また、世界に通用する産業クラスターが形成されてきたバイオ・IT産業について、引き続き支援します。さらに、観光、映像コンテンツ、寒冷地向け住宅等の分野についても、北海道の強みが更に発揮できるよう支援を行います。
第2に、低炭素社会実現に向けたフロントランナーを目指します。北海道の自然条件を活かし、風力・太陽光・雪氷冷熱・バイオマス等の新エネルギーや、エネルギーハブ等ネットワークの活用を通じて北海道に適した省エネルギーの導入を進めるとともに、天然ガスの導入促進や原子力利用の着実な推進等を通じ、資源エネルギーの安定供給を果たしつつ低炭素化を実現していきます。
第3に、地域経済を支えるものづくり産業については、企業立地促進法による産業集積の促進、イノベーションを生み出す産学官連携・研究開発の推進、人材育成、知的財産活用等を通じ総合的に支援するとともに、「グリーン化」という世界の潮流を踏まえた新分野進出を推進します。
第4に、地域の経済・社会的課題を解決する観点から、中心市街地・商店街の活性化等まちづくりを支援するとともに、地域おこし、介護・子育て等の課題に対し、社会的企業(ソーシャル・ビジネス)等の形で地域住民の方々が協力して取り組む環境整備を行います。これに加え、安全・安心な社会の構築を目指し、製品安全対策や悪質商法対策など消費者利益の増進にも努めてまいります。
当局といたしましては、現場主義の原則に立ち、皆様のご意見を伺い、地域経済の実態を十分踏まえた上で、スピーディにこれらの施策を展開し、地域経済の自立的発展に貢献してまいります。本年におきましても、関係各位の一層のご理解、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
本年は、我が国がAPEC(アジア太平洋経済協力会議)議長国として、6月に札幌で貿易担当大臣会合を開催する予定です。これを機会に、アジア太平洋地域の諸国・地域との経済交流を深めることを期待しています。
本年が皆様にとって実りの多い飛躍の年となりますよう、心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。