経済産業省北海道経済産業局と(株)北洋銀行は、「RESAS※と金融機関データを融合させた地域中核産業分析モデル」を活用して、北見市の食料品製造業を対象に分析を行い、「稼ぐ力」強化に向けた取組をとりまとめました。
背景
RESASと金融機関データを融合させた地域中核産業分析モデルは、2017年2月に当局と北洋銀行が共同開発した地域産業分析手法であり、これまで、旭川経済圏の家具製造業、洞爺湖町周辺地域の宿泊業を対象に分析を実施しています。
今年度は北見市の食料品製造業の発展に向けて、本モデルを活用して分析を実施しました。
- <RESASと金融機関データを融合させた地域中核産業分析モデルの構成>
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- 【第1段階】
- RESASデータ(稼ぎ・雇用面)から地域中核産業を抽出・分析
- 【第2段階】
- 金融機関保有の取引先財務データにて、地域中核産業の収益性や投資力等を分析
- 【第3段階】
- 上記分析を踏まえ、企業等との対話を深め、「稼ぐ力強化」に向けた取組を提案
分析概要
- RESASデータ等から、食料品製造業は他産業に与える経済波及効果が高く、北見市の中核産業のひとつといえるが、1事業所当たり出荷額は全道と比較して低位であるとの課題を把握。
- 北洋銀行が保有する10社の取引先財務データ等から、取引先の平均売上高は横ばいで推移しているものの、全国平均と比較して固定資産が少なく、設備投資が進んでいない等の課題を把握。
- 分析結果を基に企業へのヒアリングを行ったところ、設備投資が進んでいない理由として、後継者不足や高次加工化への構造転換に対する対応等への要因を把握。
- 以上のことから、稼ぐ力を強化するために設備投資や事業承継に対する補助金の活用、外部人材の活用による商品開発や販路拡大に対する支援等が重要。
今後の取組
当局と北洋銀行では、本分析結果を踏まえ、市内食料品製造業を中心に、各種支援施策の情報提供や説明会の開催、外部人材の活用促進など、互いに連携して地域課題の解決に取り組む予定です。
なお、本分析結果は2021年2月16日(火)に北見市で開催するセミナー「食料品製造業者の稼ぐ力向上に向けて in 北見」で紹介します。
参考
- ※地域経済分析システム(RESAS:リーサス)とは
地方創生の様々な取組を情報面から支援するため、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局、及び経済産業省が提供している、産業や観光等の官民ビックデータを「見える化」できるシステム。 - 「RESASと金融機関データを融合させた地域中核産業分析モデル」を作成しました