貿易管理-外為法に基づく輸出入手続、関税割当て

輸出入FAQ(よくある質問)

A:輸出関係

※輸出貨物等が各規制法に該当するかどうかは、輸出者が責任をもって判断していただく必要があります。

  1. 全般
  2. 輸出許可(安全保障貿易関係)
  3. 輸出承認(安全保障貿易関係以外)
  4. その他
B:輸入関係
  1. 全般
  2. 輸入承認
  3. 関税割当制度
  4. その他
C:参考(経済産業省FAQ)

A:輸出関係

1.全般

Q1:輸出にはどのような規制があるのか?

A1:

 国際的な平和及び安全の維持、国際取引に関し我が国が締結した条約等の誠実な履行、国内の安全の確保等の観点化から、経済産業省では、外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づき、規制を行っており、「①輸出許可」、「②輸出承認」の2つの制度があります。

①輸出許可
特定の貨物や技術を輸出する場合については、事前の許可が必要となります。また、用途や需要者に兵器開発の懸念がある場合についても、事前の許可が必要です。
②輸出承認
特定の貨物を輸出する場合、条約や国内需要の担保のために、事前の承認が必要となります。

2.輸出許可(安全保障貿易関係)

Q2:工作機械を輸出したいが、輸出貿易管理令別表第1(リスト規制)に該当するか?

A2:

 輸出貿易管理令別表第1の1~15項(リスト規制)に該当するかどうかは、輸出される方が判断する必要があります。輸出される方が技術的な知識を持っていない場合、当該機械メーカーに該当するかどうか確認してください。
 該当の場合、経済産業省に輸出許可申請を行ってください。

 非該当の場合は、輸出通関の際に、リスト規制に非該当であることを証明できる書類を用意することをお薦めします。
 (CISTEC:(一財)安全保障貿易情報センター発行の「輸出貿易管理令別表第1 ・外国為替令別表 項目別対比表」(有料)は該非判定書としてもよく利用されているようです。また、CISTECでは、有料で輸出管理相談や該非判定支援サービスを実施しています。)

 リスト規制に該当しない場合でも、輸出貿易管理令別表第1の16項の対象(食料品や木材等以外の貨物・技術)であって、以下に該当するときには輸出に際して許可が必要となります。(キャッチオール規制)
※仕向地がホワイト国の場合は、キャッチオール規制の対象外です。
キャッチオール規制の範囲

  • (1)その貨物や技術の需要者や用途からみて、大量破壊兵器等の開発等のために用いられるおそれがあるとき。
  • (2)経済産業大臣から許可申請すべき旨の通知を受けたとき。

 このうち、(1)については、輸出される方において確認していただく必要があります。

 詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。

 なお、キャッチオール規制に係る輸出許可申請の必要の有無について事前相談を受け付けております。

<相談先>
経済産業省 安全保障貿易審査課
TEL:03-3501-2801

Q3:「該非判定」はどのように行うのか?

A3:

 該非判定は、輸出者自らがその責任において行う必要があります。該非判定にあたり、輸出者が製造者ではない場合は、メーカーや仕入先などから当該貨物の該非判定書を取り寄せ判断の参考にしたり、各種該非判定支援サービスを活用したりする方法などもあります。

 CISTEC:(一財)安全保障貿易情報センター発行の「輸出貿易管理令別表第1 ・外国為替令別表 項目別対比表」(有料)は該非判定書としてもよく利用されているようです。また、CISTECでは、有料で輸出管理相談や該非判定支援サービスを実施しています。

Q4:「技術」とは何を指しているのか?そして、外為法の許可が必要となる技術提供の取引とは何を指すのか?

A4:

 「技術」とは、貨物の設計、製造又は使用に必要な特定の情報を指し、この情報は、技術データ又は技術支援の形で提供されます。技術データには、技術内容が記載された文書や設計図、仕様書、マニュアル、指示書等の他、プログラムも含まれます。また、技術支援には、技術指導や技能訓練、コンサルティングサービスなどの形態があります。
 プログラムを含め、特定の技術を外国に向けて提供する取引や居住者が非居住者に対して提供する取引、又は国外で提供するために持ち出すこと(メール送信等も含む)を指します。この「特定の技術」は、外為令の別表で定めています。

 外為令の別表は以下をご覧ください。

3.輸出承認(安全保障貿易関係以外)

Q5:輸出入する動植物の学術名がわからないが、どうすべきなのか?

A5:

 貿易取引先等による確認やインターネットでの確認などを行い、正しい学術名を記載してください。

4.その他

Q6:廃プラスチックを中国に輸出したいが、バーゼル法の対象となるのか?

A6:

 廃プラスチック(PVCを除く)は、原則バーゼル法の規制対象には該当しないと思われます。ただし、PETボトルをリサイクル目的で輸出する場合は、再生利用できるように分別、洗浄、裁断等を行う必要があります。詳細は以下をご覧ください。

※バーゼル法(特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律)では、有害廃棄物の輸出入を規制しており、規制対象貨物を輸出入する場合は、外為法に基づく承認が必要です。

 また、バーゼル法の規制対象外の場合でも、廃棄物処理法の関係で次の事項の確認が必要です。

  • 有償取引であること(廃棄物処理法上の廃棄物(無価物)ではないこと)。
  • 輸出相手国で確実に再生利用されること。
<バーゼル法に関する事前相談等>
  • メタル・スクラップ、プラスチック・スクラップ、使用済バッテリー(廃・中古)、使用済遊技機(廃・中古)、廃触媒及び中古品(家電、自動車部品等)
    (一財)日本環境衛生センター バーゼル条約輸出入規制事前相談課
    TEL:044-288-4941
  • 上記以外の貨物
    経済産業省 産業技術環境局 環境政策課 環境指導室
    TEL:03-3501-1511(内線3551)
<廃棄物処理法・バーセル法に関する事前相談等(北海道の港から輸出入する場合)>
環境省 北海道地方環境事務所
住所:札幌市北区北8条西2丁目1-1 札幌第1合同庁舎3階
TEL:011-299-1952

※原則、輸出入に用いる港の所在地を所管する各地方環境事務所にお問い合わせください。

Q7:中古バッテリーを輸出したいが、バーゼル法の対象となるのか?

A7:

 中古バッテリーは、鉛のリサイクル目的で輸出される場合、原則バーゼル法の規制対象に該当すると思われます。
 該当する場合は、経済産業省から輸出の承認を得る必要があります。申請方法等は、以下のウェブサイトをご覧ください。

<事前相談連絡先>
  • (一財)日本環境衛生センター バーゼル条約輸出入規制事前相談課
    TEL:044-288-4941
  • 環境省 北海道地方環境事務所(北海道の港から輸出入する場合
    TEL:011-299-1952

    ※原則、輸出入に用いる港の所在地を所管する各地方環境事務所にお問い合わせください。

B:輸入関係

1.全般

Q1:輸入にはどのような規制があるのか?

A1:

 特定の貨物を輸入する場合については、国内秩序の維持、条約の担保等の観点から事前に下記のような手続が必要となります。
 規制の目的の実効性を高めるため、輸入の制度は、「輸入割当(数量規制)」、「2号承認(特定地域規制)」、「2の2号承認(全地域規制)」、「事前確認」、「通関時確認」の5つの制度があります。

①輸入割当(数量規制)
輸入される貨物の数量(又は金額)を国内の需要等に基づき、輸入者等に割当てをする制度です。
※詳しくは、B:輸入関係のQ2をご覧ください。
特定の原産地又は船積地域に係る輸入について承認を必要とする制度です。
原産地又は船積地域にかかわらず特定の貨物について承認を要する制度です。
④事前確認
特定の貨物を輸入する場合に、事前に経済産業大臣等の確認を受けることにより承認が不要となる制度です。
⑤通関時確認
特定の貨物を輸入する場合に、輸入通関時に定められた書類を税関に提出することにより承認が不要となる制度です。

2.輸入承認

Q2:イカやニシン、サンマを輸入する場合の手続を教えてほしい。

A2:

 イカやニシン、サンマなどの一部の水産物は、輸入貿易管理令で「割当て」品目に指定されています。「割当て」品目を輸入するには、以下の手続が必要です

(1)経済産業省農水産室に、輸入割当て申請を行ってください。
詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。

<輸入割当ての問い合わせ先>
経済産業省 農水産室
TEL:03-3501-0532(直通)

(2)輸入割当証明書(IQ)を受けた方が輸入通関する際には、輸入承認証(IL)が必要となります。
輸入承認申請にあたっては、輸入承認申請書を2通、輸入割当証明書原本及び写し各1通を当局国際課までお持ちください。
輸入承認申請書の様式は以下をご覧ください。(両面印刷してください。)

<輸入承認の申請先>
北海道経済産業局 国際課
〒060-0808 札幌市北区北8条西2丁目1-1 札幌第1合同庁舎5階
TEL:011-709-1752(直通)

 一部の輸入割当て・輸入承認では電子申請も可能です。

 なお、水産物については「割当て」以外にも、輸入貿易管理令に基づく申請手続が必要な品目がありますので、輸入しようとしている水産物の関税率表番号(HSコード)を輸入通関予定の税関に確認のうえ、以下のウェブサイトで申請手続の対象かどうかを確認してください。

3.関税割当制度

Q3:革靴を輸入するが、関税割当てという制度があると聞いたので教えてほしい。

A3:

 関税割当ての対象となる革靴は関税率表番号(HSコード)で決まっていますので、輸入しようとしている革靴の番号を輸入通関予定の税関に確認してください。
 関税割当てを申請するには一定の要件があるほか、受付日が決まっていますので、申請手続等の詳細は、以下のウェブサイトにある「関税割当公表」を必ず確認してください。

4.その他

Q4:電気製品を輸入して販売したい。何か手続は必要か。

A4:

 電気用品の輸入販売を行うには、電気用品安全法に基づき、国への事業届出、適合性検査の受検(特定電気用品の場合に限る)、表示を行う必要があります。
 また、家庭用品品質表示法の電気機械器具に該当の場合は、品質表示も必要となります。
 両制度の詳細に関するお問い合わせは、以下の連絡先までお願いいたします。

<問い合わせ先>
北海道経済産業局 消費経済課 製品安全室
TEL:011-709-1792(直通)
<電気用品安全法 参考>
<家庭用品品質表示法 参考>

Q5:銃を輸入する場合の手続を教えてほしい。

A5:

 銃等の武器を輸入する場合は、「外国為替及び外国貿易法」(外為法)に基づく経済産業大臣の承認を受けなければなりません。承認が必要となる品目の確認や、申請書類等、詳細は以下のウェブサイトをご覧ください。

 なお、条件によっては、輸入の承認を受けることを免除する特例に該当する場合もあります。承認の要否は、以下のウェブサイトの「照会フォーム」から照会してください。

<輸入承認の問い合わせ先>
経済産業省 貿易審査課 機械班
TEL:03-3501-1659(直通)

 また、銃等の輸入に当たって、輸出者が輸出国政府機関から輸入証明書(IC)及び通関証明書(DV)を求められることがあります。輸入証明書(IC)の申請については、以下をご覧ください。

 以上のほか、銃砲所持許可申請等が必要となる場合がありますので、最寄りの警察署等へご確認ください。

Q6:カニを輸入したい。何か手続は必要か。

A6:

 日本に輸入されるカニについては、外為法に基づき、確認手続を実施しています。

 輸出入に際しては、外為法以外にも許可・承認等の手続が必要な場合がありますので、以下のウェブサイト等によりご確認ください。

C:参考(経済産業省FAQ)

 経済産業省では、貿易管理関係について、以下のFAQを公開しています。