「除雪機の事故」を招く5つのNG行動

~ 安全機能の無効化は絶対やめて ~

2024年11月26日
経済産業省北海道経済産業局

 経済産業省では、今後の降雪期の到来を踏まえ、歩行型除雪機(以下、除雪機)を安全に使うためのポイントをお知らせします。
 近年の除雪機の事故原因の約8割が、安全機能無効化等による事故であったことから、除雪機の事故を招く5つのNG行動を紹介します。

画像:除雪機事故を招く5つのNG行動(NITE作成)
「除雪機事故を招く5つのNG行動」(NITE作成)

 2014年度から2023年度までの10年間で(独)製品評価技術基盤機構(NITE)に通知された製品事故情報※1うち、歩行型除雪機による死傷事故は38件ありました。
 除雪機の事故は被害状況別では死亡事故が25件と最も多くなっており、事故原因のうち約8割にあたる32件が、除雪機の安全機能を無効化したり、使わなかったりするなど、誤使用・不注意による事故となっています。
 この冬は降雪量が平年以上の地域があるとの気象庁の予想もあることから、除雪機が活躍する機会も多くなると考えられます。
 除雪機の使用に当たっては事故を招く5つのNG行動に注意する必要があり、今回はそれらの行動を事故事例と共に紹介します。※2

  • ※1 消費生活用製品安全法に基づき報告された重大製品事故に加え、事故情報収集制度により収集された非重大製品事故やヒヤリハット情報(被害なし)を含みます。
  • ※2 本資料中の全ての写真は、実際の事故とは関係ありません。

除雪機の事故を招く5つのNG行動

 除雪機は、その大きくて重量がある機体を動かすために、パワーのあるエンジンを搭載していることから、車や重機と同じくその取扱いには細心の注意が必要です。除雪機の使用には5つのNG行動があり、実際にそれらの行動が原因で事故が発生しています。

NG行動1:安全機能を無効化する → 除雪機の下敷きになった事故

【事故発生年月】
2021年1月 【地域】広島県 【被害者】80歳代男性、死亡
【事故の内容】
使用中の除雪機の下敷きになり、死亡した。
【事故の原因】
使用者がデッドマンクラッチ機構(ハンドルのクラッチレバーから手を離すと機械が止まる装置)を大きな洗濯バサミで固定して安全機能を無効化したため、除雪機を後進中に転倒した際に、手を離しても除雪機の走行が停止せず、使用者に乗り上げて下敷きとなったものと考えられる。
画像2:除雪機の下敷きになった様子(イメージ)
除雪機の下敷きになった様子(イメージ)

NG行動2:電源がONのまま離れる

NG行動3:人がいるのに使用する → 除雪機に巻き込まれた事故

【事故発生年月】
2021年1月 【地域】新潟県 【被害者】9歳男児、死亡
【事故の内容】
除雪機を使用中、こどもがオーガ(回転部)に巻き込まれ、死亡した。
【事故の原因】
除雪作業の途中、使用者が除雪機のエンジンを切らずにオーガが回転したままその場を離れたため、周囲で遊んでいたこどもがオーガに接触したものと考えられる。
画像3:除雪機の近くでこどもが遊んでいる様子(イメージ)
除雪機の近くでこどもが遊んでいる様子(イメージ)

NG行動4:手をつっこんで雪をとる → 除雪機内部に手を入れて負傷した事故

【事故発生年月】
2022年12月 【地域】秋田県 【被害者】50歳代女性、重傷
【事故の内容】
除雪機の投雪口に詰まった雪を取り除く際に、左手指を負傷した。
【事故の原因】
使用者がエンジンを掛けたまま、付属の雪かき棒を使用せずに直接手で除去したため、回転部に触れ、事故に至ったものと考えられる。
画像4:雪かき棒を使用せず、直接手で詰まった雪を掻き出そうとする様子(イメージ)
雪かき棒を使用せず、直接手で詰まった雪を掻き出そうとする様子(イメージ)

NG行動5:屋内で使用する → 一酸化炭素中毒になった事故

【事故発生年月】
2023年1月 【地域】北海道 【被害者】80歳代男性、死亡
【事故の内容】
物置で除雪機のエンジンを掛けたままにして、一酸化炭素中毒で1名が死亡した。
【事故の原因】
使用者が十分に換気されていない屋内で除雪機を使用したため、排気ガスにより屋内の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素中毒に至ったものと考えられる。
画像5:換気されていない屋内で除雪機のエンジンを掛けたままにして一酸化炭素(CO)中毒になった様子(イメージ)
換気されていない屋内で除雪機のエンジンを掛けたままにして一酸化炭素(CO)中毒になった様子(イメージ)

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