パッケージデザインコンテスト北海道 2021 WEB展示会 パッケージデザインコンテスト北海道 2021 WEB展示会

経済産業省 北海道経済産業局

受賞作品発表 受賞作品発表

北海道の魅力あふれる商品に対し、全国から優れたパッケージデザイン作品が集まりました。
受賞作品を含む応募作品全てを、WEB上で展示いたします。
また受賞作品に関する審査評、受賞コメントも併せて掲載しております。

グランプリ 経済産業局長賞

グランプリ 経済産業局長賞

関塚 真歩(プログラフ株式会社/新潟県三条市)

対象商品:ReTAKO(小笠原 宏一
(個人事業主)/苫前町)

審査評

白本 由佳

ReTAKOは生産者さまの思いやコンセプトが特徴的であり、きちんと伝えるべきメッセージがある商品です。
そこを一番伝えようとしていたのがこの作品だったと思います。
ただの「タコ」ではない、どんなタコなのか、この商品を買うことにどのような意味があるのかということを伝える手段として上手にパッケージが使われていたと思います。
ReTAKOの作品は全体的にクオリティーの高い作品が多く、オリエンシートの内容から少しはみ出して新しい提案をしているものから、堅実で現実的なものまで幅広くありました。
その中で、生産者さまの思いに寄り添いながら新しい提案ができているものだったのではないかと思います。このデザインコンセプトを生かしたまま商品化し、このプロジェクトを盛り上げていって欲しいなと思います。

鎌田 順也

このデザインの良さは、新しいプロジェクトを表現したい!伝えたい!というクライアントの想いと、デザイナーの想いが絶妙にクロスした点だと思います。
よくよくデザインを見返してみると緩衝材に印刷を施すことが本当に良いのか、過剰な包装がこのプロジェクトに相応しいのかと、色々と疑問が頭をよぎります。
でも、それを差し引いても、想いの強さがグランプリを勝ち取りました。
デザインは時には正しいとか正しくないとか、役に立つとかそうではないとか、そういった社会性よりも、人の心を揺さぶる強さのようなものが大切なときがあります。
想いの強さがReTAKOというプロジェクトのエンジンならば、デザインが踏むべきアクセルはどこにあるのか?
その答えをクライアントとデザイナーで見つけ出し、前に進んで欲しいという思いでグランプリに推しました。

岡田 善敬

「タコが泳ぐ豊かな海を未来へつなぐ」
継続可能で新しい漁業の姿を目指したプロジェクト「ReTAKO」。
商品をデザインしたというより、プロジェクト自体を表現したパッケージが見事グランプリを獲得しました。
企業の想いが全て詰まったパッケージデザインから、プロジェクトを心より応援して取り組んだデザイナーの姿が感じられました。
箱の表面に施された円のビジュアルは海洋生態系と漁業のバランスを表し、内容表示の蛍光シールは漁につかう樽をイメージ。緩衝材には活動が表記されていて、箱の底からは苫前のきれいな海の写真が現れます。
商品が届き、中を開き、取り出す、一連のプロセスを通して、「ReTAKO」を体感できる工夫がふんだんに施されていて、このパッケージひとつでプロジェクトのすべてを語れると思いました。
一緒に審査をされた企業の方も、この作品に大きな可能性と未来を感じたようです。コトをデザインしたこのパッケージで、プロジェクトが大きく動き出す事を期待しています。

準グランプリ 札幌市長賞

準グランプリ 札幌市長賞

中西 唯(朋和産業株式会社/千葉県船橋市)

対象商品:おばあちゃんのとり五目
(とり丸亭 /旭川市)

審査評

白本 由佳

こちらの作品は受賞作品の中で一番商品化のイメージが一番し安い完成度の高いデザインだったと思います。
商品特徴を素早く伝えながら、自立させたいという仕様面の希望をアイデアでクリアしていて、インパクトもありました。またコスト面でもあまり懸念点がありません。
他の審査員の方々がお話になっていましたが、「おばあちゃん」「とり五目」「お店のキャラクター」とどの要素をどのようなデザインとして使うのかということもこのパッケージデザインのポイントだったかと思います。
シズル感のある文字としゃもじの形状のデザインで見せながら、コストや仕様面もバッチリはまっていました。さまざまな制限のある中で最大の宣伝効果を発揮させるのがパッケージデザインの重要な役割でもあるのでそこのバランスは素晴らしかったと思います。

鎌田 順也

多くの情報を「しゃもじ」に全てを集約し、シンプルにまとめた編集力が高く評価されました。
「とり五目」「おばあちゃん」「店のシンボルキャラクター」などなどたくさんの情報をデザインの力で見事に整理し、強いデザインにまとめあげていると思います。
また、色彩を全て黒一色にしたのもデザインが強くなった要因かと思います。
良い意味で力のぬけたタイポグラフィーも絶妙で、たぶん修正なしでこのまま商品化できるほど情報が整理されていました。
もしお店で見かけたらお土産に一つ買ってしまうでしょう。
お店にしゃもじがずらりと並ぶ姿が目に浮かびます。
文句なしの準グランプリ、おめでとうございます。

岡田 善敬

審査をとおして唯一、審査員全員が満場一致で満票を投じたのがこのパッケージでした。
商品の「ごはんに混ぜるだけ」という最大の特徴を、シズル感とともにうまく表現できている秀作です。
この商品の機能と味を、ひとつのビジュアルで的確に伝えるには「しゃもじ」が一番しっくりくると感心しました。素晴らしいアイデア。
また、おおらかで大胆な文字も商品のもつイメージととてもマッチしていて、店頭に沢山並ぶと遠くから見ても楽しい雰囲気をつくりだせると容易に想像できました。
「キャラクターをオモテにいれるかいれないか」という議論も行われましたが、それもこのコンペティションの醍醐味です。
企業と対話を重ねながら丁寧に商品化へむけて歩んでほしいと思います。

優秀賞

優秀賞

池田 忠也(合同会社ハチノジ/宮崎県日南市)

対象商品:たつかま(有限会社ヤマシメイチ
尾崎商店/岩内町)

鎌田 順也審査評

審査は、商品特性をしっかりと説明すべきか、多くを語らずにニュアンスで伝えるのが良いのか、どちらの方向性が良いのか議論が繰り返されました。
結果として、売り方含めて後者の方向性でまとまり、端正な佇まいが高く評価されたこの作品に決定しました。私も後者の方向性を推した一人です。
ビジュアルに若干の既視感はあるものの、希少性の高い商品の価値を正確に伝えられていることも評価しました。
商品を試食してみると、見た目とのギャップに良い意味で驚きがあります。
そんな「!」もこのパッケージであれば納得できるのではないでしょうか。
今までは伝えきれていなかった商品の価値を、ぜひこのパッケージでアピールしていただきたいと思います。

佐藤 輝幸(学校法人電子学園日本電子専門学校/
埼玉県所沢市)

対象商品:黒豆きな粉(株式会社小田壱/幕別町)

岡田 善敬審査評

ホワイトスペースに、黒い文字だけで情報が適材適所にレイアウトされており、ビジュアルとしても機能しつつ、他の類似商品と明確に差別化が計れるシンプルなデザインだと思いました。
きな粉が少し透けて見える半透明な部分と、しっかり見えるクリアな部分を設けていて、この見え方も絶妙で、上品な仕上がりです。
リニューアルデザインという事で、今までのものと比べると若干弱さはあるかもしれませんが、新しいターゲット層に対しても響く、従来のイメージを一新した洗練されたデザインに票が集まりました。
このコンペティションは、商品化をして、さらに「売れる商品」に育てるのが最終的な目的です。従って、デザイナーと企業の方とのマッチングも重要な審査の要素だと考えています。
審査当日、残念ながら企業の方のご都合があわず、事前に審査していただいた情報を元に、デザイナーの審査員のみで賞を決めていきましたが、今後クライアントとしっかり進めていける力量というのも、評価の大きなポイントとなりました。

中澤 さや香(フリーランス/埼玉県)

対象商品:うどんや花あかりのソフトバウムクーヘン(和食や 花あかり/江別市)

白本 由佳審査評

第一次審査の時点でも私はこちらの作品を1位にさせていただいていました。
第一次審査は書類での審査なのですが、その時点でこの作品は全体のバランスが良いなと感じていました。
こちらの商品はうどん屋さんが作っているバウムクーヘンという特徴がある商品なのでそこをどのように生かしているかというのがポイントだったかと思います。
パッケージはコストのバランスも大事ですし、どのような場所で売られるかということでデザインの方向性が変わってきます。
バウムクーヘン自体は洋風なイメージの商品ですが、和風のうどん屋さんに置かれた時にどのように見えるかということも大事なポイントです。
お店の雰囲気とかけ離れてしまってはどちらにとってももったいないなと思います。
お店のイメージであるお花や和風の雰囲気を取り入れながら、ターゲット層が手に取りやすい親しみやすさ、またプチギフトとしても成り立つようなデザインだと思います。

審査委員賞

審査委員賞

白本由佳賞

うどんや花あかりのソフトバウムクーヘン

小野 泉(オノコボデザイン合同会社/
宮崎県延岡市)

対象商品:うどんや花あかりのソフトバウムクーヘン(和食や 花あかり/江別市)

白本 由佳審査評

商品名を「はるまちバウム」として新たに提案をし、「春を待ち望みながら紅茶とバウムクーヘンで過ごす午後」というようなストーリーを提案している作品でした。 北海道の食材をイメージした女の子のイラストや、側面4面をそれぞれ表としても使えるようにデザインしている点など、しっかりと商品の世界観が作り上げられていて、バウムクーヘンを食べている人のシーンが想像できました。 また、このバウムクーヘンのほっこりとしたやさしい味わいとデザインもマッチしていたと思いますし、ギフトとしても喜ばれそうなパッケージです。 現状の商品コンセプトを元にリデザインをすることも大事ですが、新しい世界観を提案していくこともデザイナーとしては大事な役割でもあると思いこの作品を選ばせていただきました。

鎌田順也賞

商品名

池田 寛美(株式会社日本デザインセンター/
愛知県名古屋市)

対象商品:ReTAKO
(小笠原 宏一 (個人事業主)/苫前町)

鎌田 順也審査評

ぱっと見て「これはいい!」と思いました。賞の決め手はこの一言につきます。
なぜなら、パッケージの命題は「これはいい!」と思わせ、手に取らせることだからです。ReTAKOプロジェクトのヒアリングを行った際に感じたことは、この新しい取り組みを象徴するシンボルが必要だということです。
ReTAKOというネーミングの特徴はReという文字に集約されており、TAKOというワードに新規性を与えています。これを理解し、Reという文字でTAKOを表現できていることが素晴らしいと思いました。また、アルファベット2文字で蛸をチャーミングに定着させているデザイン力にも脱帽です。このビジュアルの船旗を見てみたい。きっと大海原に映えるだろうと想像が膨らみます。つまりこのパッケージビジュアルは、プロジェクトのシンボルとなり得る強いコミュニケーション力を持っているということで、そこに強く惹かれました。
私はこの商品をパッケージを通じて、とても欲しくなってしまったのです。

岡田善敬賞

うどんや花あかりのソフトバウムクーヘン

武田 絵梨(株式会社クレド/北海道札幌市)

対象商品:うどんや花あかりのソフトバウムクーヘン(和食や 花あかり/江別市)

岡田 善敬審査評

パッケージデザインで重要なことのひとつに「コスト」があり、コスト感覚は経験がものをいいます。コストを気にしすぎてチープなパッケージになっても、コストを度外視して採算があわなくなっても本末転倒です。そのバランスが難しく、逆にデザイナーの「見せ場」でもあると考えています。
今回自分の賞に選んだのは、「うどん屋さんのバウムクーヘン」という和と洋のバランスが難しいお題を、一枚紙を巻くだけで見事にクリアしたデザイン。 この紙一枚で、「うどん」のイメージと「バウムクーヘン」のもつ、もちもち感をしっかりと定着させたセンスが抜群だと思いました。 箱にせず、色数を抑えることで、コストを軽減。 かわりに「型抜き」加工を施し、紙にこだわる。 このバランスにも好感を持ちました。 紙のチョイスも素晴らしく、和紙のような洋紙のような不思議な質感のある紙を、狙いすまして選んでいるところが、印刷会社のデザイナーである私の心に響きました。紙へのこだわりと愛が、一番感じられたこの作品に敬意を表します。

奨励賞

奨励賞

木下 香織(株式会社ストライプス/大阪府大阪市)

対象商品:うどんや花あかりの
ソフトバウムクーヘン(和食や 花あかり/江別市)

菅原 健二(株式会社アローズ/北海道札幌市)

対象商品:ReTAKO
(小笠原 宏一 (個人事業主)/苫前町)

中西 唯(朋和産業株式会社/千葉県船橋市)

対象商品:たつかま
(有限会社ヤマシメイチ尾崎商店/岩内町)

学生奨励賞

学生奨励賞

川人 一生(中国デザイン専門学校/岡山県岡山市)

対象商品:ReTAKO
(小笠原 宏一 (個人事業主)/苫前町)

生川 萌加(日本創造学院/大阪府大阪市)

対象商品:たつかま
(有限会社ヤマシメイチ尾崎商店/岩内町)

山口 真央(女子美術大学/千葉県浦安市)

対象商品:ReTAKO
(小笠原 宏一 (個人事業主)/苫前町)