経済安保(技術流出対策)[経済安保(技術流出対策)・貿易管理]
経済安全保障と技術流出対策
昨今、不安定化する世界情勢の中で、各国において「経済安全保障」という概念が注目されており、各種施策に活用しようとする動きが広がっています。日本では2022年に経済安全保障推進法が成立しました。経済産業省においても「経済安全保障に関する産業・技術基盤強化アクションプラン」を策定し、各種取組を進めています。
経済安全保障の観点では、特定の国に過度に依存することを避ける「戦略的自律性」と、高い技術力などを通じた日本の「戦略的不可欠性」が重要です。「戦略的自律性」「戦略的不可欠性」を高め、確保していくためには、民間企業等が、自社の競争力の要である技術を守るための対策(=技術流出対策)に自主的に取り組むことが重要です。
近年は技術流出のパターンも多様化しています。これまで培ってきた自社の技術や、競争力・優位性を維持し、技術流出リスクに対処するためにも、技術流出対策への取組を検討ください。
以降の項目では、具体的な技術流出対策の手法や、技術流出対策に関する施策について紹介します。
技術流出対策ガイダンス
国際競争が激化する中で、企業が自らの技術を守るためには、技術流出の様々なリスクを把握・理解し、適切な対策を講じることが求められています。技術流出対策をコストではなく、ビジネスを強化する前提としての投資として捉えることが重要です。
技術流出対策ガイダンスでは、想定される具体的なビジネスシーンに応じた技術流出リスクや対策を整理し、各企業の好事例なども紹介しています。自社での技術流出対策を進めるための一助として活用ください。
技術流出対策に取り組む企業等の実例については、以下の「民間ベストプラクティス集」において、より詳しく紹介されています。
「退職後予定者からの技術流出防止」や「取引先企業の情報管理」、「PR用展示品に関する技術流出対策」など、多くの企業の方に参考にしていただける例も掲載されています。
技術情報管理認証制度(TICS)
技術情報管理認証制度(TICS)は、産業競争力強化法に基づき政府が運用する制度で、企業は認証機関の指導・助言を受けつつ、体制整備等に取り組み、その状況が客観的に審査・認証されるものです。認証取得により、技術情報管理への対策を取引先等に示すことが可能となり、取引先からの信頼性向上に期待ができます。

TICSのメリット
- 組織の「強み」となる情報に絞った管理を認証
- 「電子情報」だけではなく、製造設備や図面など「ノウハウが詰まった完成品等の物自体」や「紙」も管理対象に含まれる
- 国が主導する認証制度のため、お客さまや取引先の信頼につながる
- 情報セキュリティの取組をマークで対外的に示すことが可能
- 国の一部の補助事業の審査の際に加点が受けられる
- 日本政策金融公庫が実施する中小企業向けのIT関連設備等の導入資金や長期運転資金の融資(IT活用促進資金)を特別利率で受けられる
TICSの詳細は、以下のウェブサイトをご覧ください。(※認証取得には費用がかかります)
専門家派遣事業
認証取得を検討する事業者等への支援として、情報セキュリティの専門家を無償で派遣しています。専門家から、守るべき情報の見極めや具体的な情報セキュリティ手法をアドバイスします。
専門家派遣を要望の際は、応募が必要です。以下のウェブサイトより「専門家派遣応募要項」や「専門家派遣申込書」を確認の上、応募ください。
- 専門家派遣の流れ
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- 利用申し込み
- 申込書に必要事項を記入の上、メールにて申込み。
- 派遣決定
- 申込み内容を確認し、派遣可否及び派遣可能時期を事務局より連絡。
- 派遣開始
- 日程調整の上、専門家を企業に派遣。
- 派遣完了
- 派遣完了後、事務局にアンケートを提出。
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- 支援内容
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- ①認証制度に係る内部情報管理体制の構築や認証取得に向けた支援(最大3回派遣)
適切な管理をすべき技術情報の特定や、認証制度に沿った具体的な技術管理についてアドバイス
- ②技術情報管理に係る監査、認証取得後のフォローアップ支援(最大2回派遣)
認証取得後に適切に情報管理が行われているかの監査や対応策のアドバイス
- ①認証制度に係る内部情報管理体制の構築や認証取得に向けた支援(最大3回派遣)
技術情報管理 自己チェックリスト
技術情報管理 自己チェックリストは、技術情報管理制度の基準をもとに、自社の情報セキュリティ対策の状況を自ら確認し、必要な対策を把握するためのツールです。
これまで情報セキュリティ対策に取り組んだ経験がない、対策を始めるに当たって最初の取組としてやるべきことを把握したい、これまで独自の情報セキュリティ対策に取り組んできたが、取組を振り返り、不足が無いかを確認したい等の場合に役立ちます。
各チェック項目を選択することで自社の取組状況が採点され、取組が進んでいる対策分野、遅れている対策分野がレーダーチャートで示されます。まずはこのチェックリストで自社の技術情報管理の状況を把握することを推奨しています。
チェックリストのダウンロード・利用は無料です。
自社で技術情報管理の取組を進めるにあたっては、以下の研修素材や、技術流出対策ガイダンス等の資料も活用できます。