特許の歴史を旅しよう

  • 1474年

    世界最初の特許法(イタリア・ヴェネチア共和国)

    1443年には、発明に対して、特許が与えられたとされますが、1474年、世界最古の成文特許法として「発明者条例」が公布されました。

  • 1580年

    イタリアの意匠権(いしょうけん)

    フィレンツェの織物組合の規則では、新規の意匠(いしょう)考案者には、2年間これを専用する権利を付与(ふよ)することとしていました。

  • 1624年

    イギリス専売条例(せんばいじょうれい)(ジェームズ1世)

    1624年、「専売条例」が成文特許法として制定され、これにより今日に至る特許制度の基本的な考え方が明確化されたとされています。

  • 1710年

    イギリス著作権条例(ちょさくけんじょうれい)(アン女王)

  • 1721年

    新規御法度(しんきごはっと)(日本・享保6年)

    鎖国(さこく)時代の日本では八代将軍吉宗が享保(きょうほう)の改革を行い、「新規御法度」というおふれを定め、お菓子(かし)、おもちゃ、着物などの新しい工夫が禁止されました。

  • 1752年

  • 1787年

    イギリスの意匠権

    意匠保護の条例を制定し、織物意匠に2か月間の専用権を付与(ふよ)することとしました。

  • 1790年

    アメリカ連邦(れんぽう)特許法

    イギリスから独立したアメリカにおいては、自主的な特許制度の確立が課題であり、1787年の連邦憲法の制定においては、「議会は・・・科学及び有用な技術の進歩を図るため・・・発明者に対し・・・一定の期間、独占(どくせん)を与える権限を有する」との規定が設けられました。この憲法の規定に基づいて、1790年、特許法が制定されました。

  • 1791年

    フランス特許法

    1791年、最初の特許法が制定されましたが、無審査(むしんさ)主義を採用している点に特色があります。

  • 1814年

  • 1815年

    プロシア特許法

  • 1842年

    アメリカの意匠権

    アメリカにおいて意匠の保護が始まったのは1842年でしたが、単独の意匠法ではなく、特許法の一部として規定されました。

  • 1851年

    布移動装置付きミシン

  • 1862年

    イギリスで虚偽(きょぎ)表示を禁止する商品標法制定

    虚偽表示を禁止する商品標法が制定された後、1875年、先使用主義を明らかにした商標登録法が成立しました。

  • 1867年

    イタリア特許法

  • 1869年

    出版条例制定(日本・明治2年)

  • 1870年

    アメリカにおける商標登録法が制定

    初めて連邦法(れんぽうほう)として商標登録に関する統一的立法が制定されました。

  • 1871年

    専売略規則布告(日本・明治4年)

    日本で最初の特許法である「専売略規則」は、申請(しんせい)された発明の審査する人材が不足していたため、翌年執行(しっこう)停止になりました。そして、明治18年の専売特許条例の公布によって廃止(はいし)されました。

    トルコで商標を保護する法律が制定

    トルコではオスマン帝国(ていこく)時代の1871年にDistinctive Signs Actという商標を保護する法律が制定されました。この法律は無審査(むしんさ)主義を採用しています。

  • 1874年

    ドイツで商標保護法が制定

    無審査主義に基づく商標保護法が制定されましたが、1894年には審査主義に変更(へんこう)されました。

  • 1876年

    ドイツの意匠権

    「意匠又は模型の考案(こうあん)に関する法律」が成立しました。

  • 1877年

    ドイツ統一特許法

    1877年、世界で最初の審査公告(しんさこうこく)主義を採用したドイツ統一特許法が制定されました。

  • 1879年

    トルコで特許法が制定

    トルコではオスマン帝国(ていこく)時代の1879年に発明を保護するために特許法が制定されました。この法律は1844年に制定されたフランスの法律に基づいて、無審査主義を採用しています。

  • 1883年

    工業所有権保護のためのパリ条約の締結

    交通機関が発達し国際貿易が盛んになると、また、1873年に万国博覧会が開催されると、外国で発明を模倣(もほう)されてしまう問題が頻発(ひんぱつ)するようになりました。そこで、発明家の権利を国際的に保護しようという条約がパリで結ばれました。

  • 1884年

    商標条例(日本・明治17年)

    我が国の最初の商標法である「商標条例」が制定されました。

  • 1885年

    専売特許条例の制定、専売特許所設立(日本・明治18年)

    明治時代になると、日本でも多くの人が優れた発明をするようになりましたが、同時にアイデアの盗用(とうよう)に対する苦情も増えました。そこで、明治18年4月18日に専売特許条例を定め、ものまねを許さない仕組みを作りました。
    我が国の特許第1号は、明治18年(1885年)、京都府の堀田瑞松による「堀田式さび止め塗料とその塗法」でした。

    日本の商標登録第1号

    我が国の商標第1号は、明治18年(1885年)、京都府の平井祐喜による膏薬(こうやく)丸薬の商標でした。

  • 1886年

    文学的及び美術的著作物の保護のためのベルヌ条約の締結(ていけつ)

  • 1887年

  • 1888年

    意匠条例の制定(日本・明治21年12月公布・翌年2月施行(しこう))

  • 1888年

    特許条例の公布(日本・明治21年)

    専売特許条例は3年後に改正されて特許条例になりました。この改正で、審査官(しんさかん)が特許出願の審査(しんさ)を行うと法律で定められ、特許の権利は大臣の権限で特別に与えるのではなく発明者の当然の権利であると定められました。

  • 1889年

    日本の意匠権第1号

    我が国の意匠第1号は、明治22年(1889年)、栃木県(とちぎけん)足利市の須永由兵衛による織物縞の意匠でした。

  • 1890年

  • 1891年

    商標の国際的な登録制度マドリッド協定制定

  • 1892年

    乾電池(かんでんち)特許登録(屋井先蔵)

  • 1893年

  • 1894年

  • 1895年

  • 1896年

    外国人の特許を認める

  • 1899年

    パリ条約加盟(日本・明治32年)

    条約への加盟にともなって特許法の改正が行われ、パリ条約加盟国の国内で特許出願された発明について優先権を与えることや、方法の発明も特許として認めることが定められました。

  • 1905年

    実用新案法の制定(日本・明治38年)

    物品の形状、構造または組合せに係る考案をした人に、実用新案の登録を受けられるようにするための法律が定められました。このころの実用新案権の存続期間は3年で、さらに3年の延長をすることができました。

  • 1908年

  • 1913年

    亀(かめ)の子たわし特許登録(西尾正左衛門)

  • 1917年

    ソ連特許法

  • 1921年

    先願主義、出願公告制度、拒絶(きょぜつ)理由通知制度の採用(日本・大正10年)

    これまで最初に発明した人に特許を与えるという先発明主義をとっていた日本の特許制度は、法改正によって、最初に出願した人に特許を与えるという先願主義をとるようになりました。また、特許の成立前に公衆から異議申立の機会を与えるという出願公告制度や、拒絶の前に出願人の意見を述べる機会を与える拒絶理由通知制度もこのとき導入されました。

  • 1925年

    電波指向性アンテナの特許(日本・大正14年八木秀次)

    意匠の国際寄託に関するハーグ協定制定

  • 1926年

  • 1928年

    ペニシリン(フレミング)

  • 1934年

    不正競争防止法の制定(日本・昭和9年)

  • 1935年

  • 1941年

    ポリエステル(ウィンフィールドディックソン)

  • 1946年

    韓国で特許法、実用新案法、意匠法制定

  • 1950年

    静電誘導(ゆうどう)電界効果トランジスタ特許登録(西沢潤一)

  • 1959年

    特許存続期間の制限(日本・昭和34年)

    何十年も昔に出願された発明に特許が認められると世の中への影響(えいきょう)が大きいため、このときの改正法によって特許権の存続期間は出願日から20年以内に制限されました。また、新しい発明であっても誰もが容易に思いつくものは特許を受けることができなくなりました。

  • 1959年

    商標法改正

  • 1963年

    合成皮革特許登録(福島修)

  • 1967年

    世界知的所有権機関(WIPO)設立条約

    トリニトロン方式カラー受像管特許登録(吉田進他2名)

  • 1970年

    出願公開制度、審査請求制度(しんさせいきゅう)、審査前置制度等の導入(日本・昭和45年)

    このころ日本国内の特許出願が激増したため、法改正によって、出願から1年6ヶ月後に出願内容を公開する出願公開制度と、審査負担を軽減するための審査請求制度が導入されました。

  • 1973年

    ヨーロッパ特許条約締結

  • 1975年

    物質特許制度の導入(日本・昭和50年)

    世界知的所有権機関(WIPO)へ加盟

  • 1978年

    特許協力条約加盟(日本・昭和53年)

    特許協力条約に基づく国際出願(PCT出願)開始

  • 1985年

    国内優先制度の導入(日本・昭和60年)

    工業所有権制度100周年

    中国特許法制定

  • 1987年

    多項制(たこうせい)の改善(日本・昭和62年)

  • 1989年

    先行技術調査業務の外注開始

    マドリッド協定議定書採択

    商標の国際登録制度が確立しました。この議定書は、1995年12月に発効し、翌1996年4月から制度運営が開始されています。

  • 1990年

    世界初の電子出願受付(日本・平成2年)

    昔は、特許を取るために、発明の内容を書面にして特許庁に申請していましたが、今ではコンピュータを使って発明の内容を電子ファイルにまとめて、電話回線を通じて出願できるようになりました。

  • 1992年

    サービスマーク登録制度の導入(日本・平成4年)

  • 1994年

    新実用新案制度(技術評価書)導入(日本・平成6年)

  • 1995年

    外国語による特許出願受付開始(日本・平成7年)

    特許第200万号誕生

    知的所有権の貿易に関連する側面に関する協定(TRIPS協定)発効

    標章の国際登録に関するマドリッド協定議定書発効(2000年3月14日日本について効力発生)

    立体商標制度の導入

    団体商標制度の導入

  • 1996年

    特許付与(ふよ)後異議申立制度の導入(日本・平成8年)

    商標法条約発効(1997年4月1日日本について効力発生)

    世界貿易機関(WTO)設立

  • 1997年

    商標法条約加盟(日本・平成9年)

  • 1998年

    部分意匠の保護の導入(日本・平成10年)

    パソコン電子出願受付開始

    大学等技術移転促進法(TLO法)施行

  • 1999年

    商標出願公開制度の新設(日本・平成11年)

    特許電子図書館サービス開始

    ハーグ協定のジュネーブ改正協定制定

  • 2000年

    意匠・商標・審判(審査)手続の電子化(日本・平成12年)

    マドリッド協定議定書加入(同上)

  • 2001年

    第1回世界知的所有権の日(4月26日)決定(WIPO)

    2000年の世界知的所有権機関(WIPO)一般総会で、「すべての国の発展における知的財産の役割とその貢献を強調するとともに、人間の試み・努力に対する意識及び理解の向上を図る」という目的の下に、「WIPO設立条約」が発効した日にちなんだ4月26日を世界知的所有権の日として宣言することが決定され、2001年の4月26日が第1回目となりました。

    独立行政法人工業所有権総合情報館設立

    審査請求期間を7年から3年に変更

  • 2002年

    知的財産戦略大綱策定(日本・平成14年)

    知的財産基本法成立(同上)

  • 2003年

    知的財産戦略本部発足(日本・平成15年)

    知的財産推進計画策定(同上)

  • 2004年

    独立行政法人工業所有権情報・研修館に名称変更

    特許異議申立制度廃止

  • 2005年

    知的財産高等裁判所設立

    インターネット出願開始

    特許法条約発効

  • 2006年

    地域団体商標制度の導入

    特許審査ハイウェイの開始

  • 2008年

    通常実施権等登録制度の見直し

  • 2009年

    商標法に関するシンガポール条約発効

  • 2010年

    産業財産権制度125周年

  • 2014年

    新しいタイプの商標の保護制度

    特許法等の一部を改正する法律(平成26年5月14日法律第36号)により、商標法が改正され、色彩のみからなる商標、音商標など、これまで商標として登録し保護することができなかった商標について登録をすることができるようになりました。

  • 2015年

    ハーグ協定のジュネーブ改正協定日本において正式発効

  • 2019年

    損害賠償額の算定方法の見直し

    意匠法改正

    これまでは、意匠法の保護対象は「物品」に限られ、不動産や固体以外のものなど、「物品」でないものは保護されませんでしたが、改正により保護対象を拡充し、新たに「画像」、「建築物」、「内装」のデザインについても、登録ができるようになりました。また、これまでは、意匠権の満了日は、「登録日から20年経過した日まで」でしたが、改正により、「出願日から25年経過した日まで」となりました。

  • 2021年

    審判口頭審理のオンライン化 等

  • 2023年

    コンセント制度の導入 等

出典:

特許庁 産業財産権制度 関連年表
https://www.jpo.go.jp/introduction/rekishi/seido-nenpyou.html

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