- 特別編 トークセッション IN 道南
対談:地域の未来はアトツギの挑戦にあり!【後編】
株式会社ミウラ商会 代表取締役社長 三浦 洋範さん
有限会社知内温泉旅館 専務取締役 佐藤 昌人さん
birch 株式会社 代表取締役CEO 赤井 義大さん
株式会社西村組 取締役社長 西村 幸志郎さん
ロマンからソロバンまで、地域に抱く夢と危機感
【三浦】お三方は共通して、地域への危機感を持っているなと感じるんですが、いかがですか。
【西村】そうですね。マチを出てからマチを見たときに、「外から見たらやっぱり終わってるな」と思いました。今も思っています。
【三浦】それで「ニューハンバー」を創られたわけですか。
【西村】そうですね。湧別町にも泊まる所自体はありますが、民泊しかないので観光客がなかなか滞在してくれないんです。泊まる所がないと1日そのマチに滞在することはないですから、通過されるマチになってしまい、言い方はあれですけど外貨を稼げない。お金を落としてもらえる確率が減ってしまう。それを変えるためには、宿泊と、うまい飯、うまい酒、そして、そこに行けば面白い人に会えるよねみたいな空間が必要と思い、全部詰め込んたのがこの事業の始まりです。
【三浦】ちゃんと儲かるんですか?
【西村】二期目なんですけど、今年は利益が出そうです。去年は赤字でした。スタートで投資したものも大きかったので。
【三浦】志があっても利益を生まないと、継続していけない。これって結構目を背けちゃいけないところですよね。でも、利益が出るような仕組みを作ってらっしゃる?
【西村】まあ、必死こいてというか(笑)。継いだ西村組のほうも正直言えばまだまだ大変で、改革途中なので、これもやるか?って自分でも思いましたが、 「今やらないとタイミングないかな」とも思って。僕はどっちかというとロマン派で、ロマンとソロバンみたいな話をされるのが一番嫌いなんですけど(笑)、でもやっぱり(ソロバンも)大事だなっていうのは、経営者になってからひしひしと感じてます。
【三浦】難しいですよね。ロマンからソロバンまでっていうのは。でもやっていかないと継続できない。ぜひ、引き続き頑張っていただきたいと思います。
赤井さんもいろんなことやってるじゃないですか。それはやっぱり地域課題の解決なんですか?
【赤井】原点はあんまりそうではなくて。生活の拠点を置いて10年ぐらいですけど、大好きな自然では楽しく遊べるものの、自然以外の生活の、何かいろんなものが、地方でどんどん衰退していくのを実感していて。肉屋さんがなくなったり、魚屋さんがなくなりつつあったり、マチの満足度が下がってくんですよね、住んでるうちに。
そこに住んでいる意味を見いだしたいなと思った時に、ただ何もしなかったら、どんどん(魅力は)減っていく一方で、たぶんつまらなくなって、違うマチへ行っちゃうんだろうなと。でもそう思った時、「自分で頑張れば作れるな、その面白み」みたいなのも、やってみて感じていた。自分が住んでいるエリアが面白くなれば、結局自分も豊かになれるので、そこは結構大きいかもしれないですね。それをやるには地域課題が何なのかっていうのを明確にした方がいいし。
【三浦】その今おっしゃった豊かっていうのは、経済的豊かさ?心の豊かさ?
【赤井】わりと心を重視していますね。“あったらいいなが、あったらいい”世界、そういったような。
【三浦】地域課題の解決を、商売でするってものすごく難しくて。だからこそ、ものすごくやってみたいなと思うんですけど。赤井さんがそれを実践されてるのかなと思いました。
それと、田舎に住んでるからこそ、いろんなコミュニティを作ってるんだなと。それを欲してるのか、それが必要だと思ってるのか、どちらですか。
【赤井】どっちも、かもしれないです。道南サミットは、僕が八雲でこういう話をしてた時に、ほとんど理解されなくて、仲間を作れなかったんですよ。帰ってきた当初は、“ちょっと(こんなで)八雲どうしよう”って感じでした。札幌や東京には理解者がいたけど、さすがに遠い。でも道南18市町村だったら、もうちょっと気軽に行き合える距離だから、ここでなんか面白い人たちに出会えたらいいなと思って。いろんな地域を旅して、人に紹介してもらって会いに行ったりしてました。それで結構、僕みたいに地域で「何やってんだ」みたいに思われてるけど、面白いことやりたいって思ってる人たちと繋がれて結構救われました。
【三浦】後継ぎって、夢を持てる、持ちやすい環境にあるかもしれないなと思うんですよね。土台もあるし、地盤もあるし。
【赤井】そうなんですよ。それすごく思ってます。僕は別でベンチャー企業の経営もしてますが、利益追求しないといけないシーンが結構あるんですよね。借金もしてるし、返さなきゃいけないみたいなのが目の前にある。でも、地盤がある会社に入っていくと、ある程度基盤ができてるんで、新しいことをやりやすい、夢を追いやすいなって感覚は、どっちもやってるからこそあるので、そういう意味で後継ぎってすごく重要だなと思いました。
【三浦】後継ぎだからこそ抱ける夢、具現化できる夢というのがある。私も事業承継をさせてもらってますが、後継ぎじゃなかったら承継なんてできないだろうし。私たちの環境っていうのは、夢を持っていい環境なんだなあ、と感じながら赤井さんのお話を聞いていました。佐藤さんのサウナも、夢ですよね、サウナシュランに入りたいって。
【佐藤】そこを目指して造り始めたというのはあります。
【三浦】地域目線で見た後継ぎの重要性というのがあると思うんですが、後継者の役割は、地域で夢を持つことなんですかね?
【赤井】夢を持って行動して、背中を見せるみたいなのが一個あると思うんですけど、もう一つは、夢を持った若者とか、持てそうな若者を、ちゃんと後押しすることもできるかなと思う。その両方を、後継ぎは実行しやすい状況にいるんじゃないかなと感じてます。
【三浦】赤井さんのソーシャルビジネスアカデミー構想は、ものすごく面白いなと思います。
【赤井】それこそ夢を持って地域で活動したい若者を増やしたいし、挑戦者を増やしたいです。僕、帰ってきてすごく感じたのは、未来に希望を抱いてない人が多すぎるってこと。マチがどんどん衰退するのを見て、10年後、20年どんどん終わってくなっていう感覚の中でずっと過ごしてたら、未来に希望を抱けない。自分が生きている内は苦労しないように、リスクは取らないで生きようみたいになるのは環境として仕方ないじゃないですか。その中で、こういう(活動・挑戦する)人を積極的に作っていきたいなと。
【三浦】赤井さんがそう考えられるのは、留学の経験と八雲にいなかった時代が、その価値観を与えてるんじゃないかなと思うんですよ。どうですか?
【赤井】すごいあると思います。はい。
【三浦】ですよね。それを皆さんにお伝えするとすれば、どうやって価値観を探して、違う価値観を見ていただければいいのか。
【赤井】圧倒的に価値観が違う人と、たくさん会ってほしいです。僕はそれをやりたいから観光事業を始めて、外国人を呼んできて。海外に行くことはできなくとも外国人と接することができる接点を作っています。
【三浦】ありがとうございます。いやあ、面白い。ただ、さっきの西村さんへの質問にもかぶるのですが、それが事業として成り立つかどうかが、私には見えない。難しいですね。

【赤井】世界の流れとしては、もともと株式会社として株主に全部利益を還元するっていうのが資本主義の前提としてあったんですけど。今はESG 投資とか環境とか社会とか、そういうものもちゃんと大事にしていく経営をしていきましょうみたいな流れになりつつあると思うんですよ。日本も少しずつそうなってきて、それでローカルがすごい目立ってきていると感じてる。そこにお金が流れる可能性はあるし、それを創り出せる人たちが、後継ぎが中心なんじゃないかなというのは思ってました。
【三浦】間違いなく、今後の時代を創っていくのは後継ぎですよ。本当に私もそう思っています。特に地方であれば地方であるほど、後継ぎがその地域を担っていくんだろうなと思って見ています。佐藤さんは、なぜ新しいこと、サウナを始めようと思ったんですか。
【佐藤】昔は “開湯八百年”“北海道で一番古い”みたいなのを会長が全国にPRしてきましたが、それで訴求できた世代は今もう残っていない。なので、自分が、今の世代の人たちにもう一回リブランディングしなきゃならないと思ったんです。
あと建物も、増改築があって時代がバラバラなんですよ。例えば、自分が14歳の時に本館が火事になって半焼したんですが、その時に建て直したのが木の城たいせつ(※特徴的意匠のハウスメーカー)の建物で、その前の建物は元々50年前からある廊下で、その建物が建った後にもう一つ廊下が平成に入ってからできたりとか。どこかを基調に合わせていく必要があり、それをしながら発信していったほうが、訪れたお客様も関わりが残るというか、“次はどこが直ってるんだろう”っていう楽しみが増える。お客様との関わりをちょっと残しつつ、ちょっとずつ増改築するっていう都合のいいことを考えています。
【三浦】なるほど。西村さんにお聞きしたいんですが、地域課題・・・人口減、若者流出に対してこういうのどう?みたいなのありますか。
【西村】僕のマチは、大学とか専門学校がないんですよ。近くても一時間半ぐらいかかるところで。採用とかもめちゃめちゃ大変で。地域の人がいなくなるのもそうですし、皆さんの会社も中小企業だと採用がめちゃめちゃ大変な時代だと思うんですけど。
一方で僕は、「どんどん出てみたほうがいいよ」と思ってます。若い人が出ていき、焦って、もうマチがなくなるか、それか本当にやばいと思って動き出すっていうのじゃないと変わんないかなと思うので。「どんどん出て行ったらいいよ」と高校生などには伝えます。で、うちは逆に、道外とか、道内でも札幌とかそれこそ函館とかから採用して、「来てもらう」。昔の考え方で「囲い込む」っていうのがすごくあって、“地域の担い手だから地域の企業を好きになってほしい。だからここに入って留まってほしい”って言うんですけど、僕はそんなことしない。それこそ海外に行って視野が広がるとか、僕もここから出た経験でそう思っているので。一回出て、それで好きなら戻ってくればいい。だから、「いてほしい」と思わない。逆に、多様な人たちが外から来て、文化を新しく創ってほしい。僕は、言葉を選ばず言わせてもらうとマチを牛耳ることを目指して動いていて(笑)、他の人がどうにも良くしてくれないから自分がしようっていう風に切り替えてます。外からどうやって騙して連れてくるかみたいな、言葉を選ばず言っちゃうと、拉致です(笑)。そんなことをやってる感じですね。
【三浦】お三方を見ていますと、行政に頼ってないなという部分が見えます。自分たちでやってやろうっていうか。
【西村】公務員の方々に期待はしていますよ。だんだん民間の方を向いてくれてるなと思ってる。でもそれも、僕らがパワーをつけて発信して、新しいことやってないと、やっぱマチ側も認めてはくれないって思うので。そういう人間に自分でまず成長するしかないし、事業でも圧倒的にパワーをつけて影響力を持つっていうのがうまくやっていく秘訣かも。
【三浦】地域に対しての影響力を持つってことはものすごく大事だなと思います!
私は、西村さんと違って、生まれ育ったマチで働くのも一つの選択肢だよと思っていて。夢を共有できる仲間と一緒に、発信力とか影響力を持つことによって、それが良い未来に繋がっていくっていう“勘違い”をしながら事業をやっていきたいなと思ってるんですよね。失礼ながら、赤井さんもそんな“勘違い”タイプかなと思う。
【赤井】そう。まあまあ“勘違い”(笑)。僕この前、函館で道南Expo!っていう晴れの場を創りまして、主に20代の若者や大学生と一緒にトークセッションや展示をやったりしてたんです。その中で、このイベントをどういうものにしたいか、自分たちのこれからを、どう生きていきたいかを文字に示そうって提案をしたんですね。20代前半の子たちや大学生が、「函館の60代以上の人たちは“昔は良かったよね”って言葉をめちゃくちゃ使うと思う」と言う。確かに「時代、変わったね」みたいな話を、こう諦めムードで言うんですが、その若者たちは、「30年後、自分たちがあの頃は良かったね!なんて絶対に言わせない」みたいなこと書いてて。めっちゃ心打たれたんですよ!自分たちが振り返った時に、あの頃思い描いていたよりもっといい未来を自分たちで創っていたいよねって自負を、ちゃんと得られるような宣言を言葉でしていて。こういうことを若い人たちとみんなでやっていくことが、勘違いじゃないですけど、「30年後、僕らはこうなりたいんですよ」みたいなのを宣言していくのは、意外と大事なんじゃないかなと思いました。
【三浦】前向きな方々の集まりですね。
【赤井】はい。今後は前向きじゃない人も前向きにしていきたいというか、なってほしいなと思うし、そこを今これからアクションしていきたいです。
【三浦】いいですね。僕も心打たれました。そういう前向きな方々とお付き合いしていく中で、夢を共有したりとか、協力してビジネスにつなげる。商売はどうしても黒字を出さないといけない。じゃないと継続できない。難しいですよね。なのに、なぜ新しいことに挑戦するんですか?西村さんは、西村組だけで安定してるわけでしょ。
【西村】ま、困らないですね(笑)。
【三浦】それ言ってみたいわ(笑)。なのになぜ新しいことを?
【西村】もうなんか、“飽きてる”んですよね。正直、西村組も、社長を継ぐ前から“飽きて”ますね。今は皆さん同じ境遇なのでこういう言葉を使いますけど、一般の方の前では絶対言えないです。
【三浦 ほか全員】 正直なところだね。分かる。すごくわかる。
【西村】もちろん、新しいことをしたいのもあるんですけど。建設会社なんで、70歳ぐらいの人もいるんです。僕は後から入ってきた人間ですが、そちらの先輩とも親父とも喧嘩し、ゴリゴリ改革した派なので、 1年で10人もベテランが辞めた時もあります。つまり、元々の企業文化に飽きているというか。なんでみんな変わろうとしないんだ、なんでもっといい会社にしたいと思わねえんだ、みたいな。後継ぎはこんなふうに、一人で戦っている人が多いのかなと思ってます。そこが一番、原動力でもある。新しいことしたいんじゃなく、腐った部分を早く直したいみたいな感じで、ずっとやってきて。始めた事業も当てつけってわけじゃないですが、湧別町に宿泊施設を作って、人が来るのか?と言われたのに腹立って作っちゃったんですけど(笑)。最初はただ泊まれる場所みたいな予定でしたが、「ちゃんと事業化して黒(字)にしてやりますから」って宣言して。物がない場所がないから今まで人が来なかっただけで、「作れば来るんだ」って押し切りました。施設は5部屋しかないんですけど、結果、作ってから半年ぐらいでもう1000人が泊まったんですよ。黙って経営会議で(数字を)見せつけてやりました(笑)。
アトツギ世代の意識の変化、横のつながりと中継ぎとしての役割

【三浦】僕も大事にしてることなんですけど、横のつながり。何か意識されてることはありますか?
【佐藤】あります、あります。日本秘湯を守る会(一般社団法人)という全国組織があり、北海道は6軒だけ加盟があるんですけど。うちとか銀婚湯さんとか丸駒さんとか。今は北海道と東北と合わせて北日本支部みたいなのがあります。どこも今は代替わりが進んで、若い世代で回せよ~となっているので、ちゃんと(集まりに)行って交流しています。
【三浦】我々の世代って、横のつながりを大事にして、みんなで切磋琢磨しながらっていう意識が強いですよね。
さて、お時間になってきましたので、最後の質問です。皆さん、今後の目標を教えてください。どうしたいか、どうなっていきたいか。どういう会社にしていきたいか。
【西村】まあ、一番はやっぱり家業である建設会社・西村組のリブランディング。5年ぐらいかけてますけど、まだまだ完成形には程遠い。もっともっと、自分たちの仕事に誇りを持ってほしいし、建設業ってどうしても、お堅くなるというか、受注もうちは一般住宅や建築じゃなくて、公共の仕事、税金で仕事させてもらうっていうところで、どうしても保守な考えになってしまう。最初にお話しさせてもらったように、もうちょっと攻めた会社として建設会社という枠から外れて、“西村組は面白い会社で、建設業を手段としてやってる”ってところに、どうやって行けるかなと。あとは、建設業界自体も発注者もそうですけど、まだまだ変わっていってもらわないと、なかなか採算合わなかったりするところがあるので、うちがもっと影響力をつけて、「それ、西村組が言ったんなら変えていこうよ」と言ってもらえる会社になっていかないと。社員のことが一番ですけど、業界自体も衰退してきているので、ここまで背負えるようにならなきゃなとは思っています。
で、別の事業では、マチというものの上にもう一個レイヤーを作って、自分たちの文化を創っていく。マチの中にマチを作るみたいな感じなんですけど。それはなかなか公共の人が手を出しづらいところではあると思うので、やっぱり僕が先頭切ってマチに必要なものを創っていくとか……。赤井さんのお話にありましたが、肉屋がなくなるとか、魚屋がなくなるとか、寂しいですよね。自分たちで飲食、八百屋をやってみたりとか。あとは自然が豊富なマチなので、レジャーで人を呼び込めるようにとか、マチのインフラを担っていく、創っていくってところもやっていきたいなと思っています。
【三浦】素晴らしいですね。よくその年齢で気づいて行動に移してるなと思います。赤井さんは、今後どういう方向に。
【赤井】そうですね。ちょっと話が逸れるんですけど、僕は、歴史を面白く学ぶインターネットラジオが好きなんですよ。先日の内容は、「日本社会は歴史的に見てリーダーがいない方がうまくいく」という主旨で、欧米では、圧倒的なトップがトップダウン形式で指示を出して、下に効率的に動く部下がいるみたいなのがうまくいく。けれど、日本は “内面的モラル駆動”であり、モラルを自分の中ですごく意識して、この行動が社会的にいいことなのか、隣の人を助けてるのかっていうのを考えて自分で行動できる、パフォーマンスを発揮しやすいのが特徴だよねって話なんです。
分かりやすい事例で言うと、明治維新とか、みんなが日本を良くするために命を投げ打って日本を変えようとしたじゃないですか。あとは戦後復興とか、最近だったら東日本大震災でアクションしたのも内面的モラル駆動の事例と言う。
だから経営に落とし込んだ時に、利益をみんなで上げていくのももちろん大事ですけど、プラスアルファで、地域にとっていいことをやろうとか、社会にとっていいことをみんなでやっていこうっていう、ここのスタンスをうまく掛け合わせることが大事なんじゃないかって言ってて、めちゃくちゃそれが僕には響いたんですね。
さっき地域課題とか社会課題の話をしましたが、後継ぎの結構大きい課題って、たぶん「人」だと思うんです。全然人が来ないし、中から生まれないしみたいな。
僕は大学生とか若者と接点が多いですが、社会課題とか地域課題にめちゃくちゃ向き合いたいって若い人、超増えています。僕らの世代は、就職の時に“誰でも知ってる大企業に入って稼ぐ。いい車買う。いい家買う”みたいなのが結構黄金ルートでしたよね。でも最近、若い人たちが地域の課題や社会の課題、環境課題とかに向き合うことがかっこいい、人生を投げ打つのがやりたいみたいな子が増えてる感覚がある。だからそういった意味で、後継ぎたちが地域の課題とか社会の課題に向き合っていくと、そこにこれからの優秀な若い世代が集まる絵が描けたなってすごい思ったんですよね。
日本人の、自分の中でモラルとしていいなって思うことを、リーダーが言わなくても自分で考えて行動できるということは、性質というかDNAにマッチしていると思っていて。
僕がやりたいのは、そういう考え方をもうちょっと普及していき、地域にとって社会にとっていいことを事業の中に組み込んで、後継ぎの皆さんと一緒にやっていくこと。そしてどんどんローカルに若い人たちが集まってきて、さらにやりたいことがブーストされる世界を創れるんじゃないかなと。
その中で何をやろうか悩んでいるんですけど、一個、分かりやすくやりたいのは、若い人たちをまず応援しようっていうこと。ソーシャルビジネスアカデミーも、去年、若い人たちを勉強させたいと思って、大学生を僕らの出張に連れてくみたいなプログラムをやったんですよ。本当は地域のいろんな人からお金集めてやりたかったんですけど、とりあえず僕らがまずやらなきゃなんで、何社か、いいねって言った人たちで大学生に旅費を出し合って、連れてって。その大学生が就職してくれるとか何もないんですけど。帰ってきた後に報告会をやったら、それがすごく良くて。今年はもっと大きくやりたいし、前後での研修とか報告会もちゃんとやりたい。そこの資金とかを地域のみんなで出し合ってやれたら、もっと面白いなと思っています。
【三浦】内面的モラルを具現化して、それを育てていって、それが地域にとって財産になるってことを表現してる。
【赤井】僕一人じゃ無理なんで、それをちゃんと地域で実践していって、後継ぎの方とか若い方とかとみんなで一緒にやっていく世界を創っていけたら。個人的には超面白いなと。
【三浦】その世界、行きます!ありがとうございました。
最後に佐藤さん、今後の目標を教えてください。
【佐藤】はい。(会社を)残していくのは絶対なんですけど、次の世代がその時代に合った柔軟な動きをできる残し方をハードもソフトもですけどしたいなと今すごい思っています。自分自身は残るって決めたので、ここの地域に残って寂しくないように、地域の人たちと楽しく生きれたらなと思う。次の世代をちゃんと考えられるような、選択肢を創りたいと思ってます。
【三浦】ありがとうございました。
今日のこのトークセッションが、どれだけ皆さんの参考になったかわかりませんが、私たち後継ぎはアンカーではなく中継ぎですから、いい会社、いい人材、いい社会を残すためにいかに繋いでいくべきかということを、お三方がそれぞれの方法、手法で表現してくれたかなと思ってます。どうもありがとうございました。
<ファシリテーター>
- 三浦 洋範 氏(株式会社ミウラ商会【美唄市】代表取締役社長)
- 2024年3月にミウラ商会の代表になり、同4月に株式会社藤川石油の代表就任。親族承継と、非親族承継を経験。今後も、地域を中心に必要不可欠なガソリンスタンドでアトツギに困っている会社があれば、M&A を検討していきたいと思っている。
<登壇者>
- 西村 幸志郎 氏(株式会社西村組【湧別町】取締役社長)
- 北海道湧別町の建設会社・株式会社西村組 四代目社長。海洋土木をメイン事業とし、技術開発による事業創出なども行う。旧態依然の会社を変え、課題であった採用・広報面も強化しそのリブランディングがTV・ラジオ・講演会など様々な場面で注目される30歳。
- 佐藤 昌人 氏(有限会社知内温泉旅館【知内町】専務取締役)
- 800年続く温泉旅館知内温泉の湯守として地域に根を張り、温泉という日本の文化を広げる活動をしている。知内を舐められない町にするため、仲間とともに2026年3月に地域商社「知内商事株式会社」を設立。百年後につながる町づくりに挑戦している。
- 赤井 義大 氏(birch株式会社【八雲町】代表取締役CEO)
- 1990年生まれ、北海道八雲町出身。カナダの大学を卒業後、東京で会社員として働いたのち、八雲町へUターン。銭湯を改修したカフェ&ゲストハウス「SENTO」や、廃校を活用したキャンプ&ホステル「ペコレラ学舎」を立ち上げ、地域資源を活かした宿泊・交流拠点を運営。